Call Me by Your Name / 君の名前で僕を呼んで ~ティモシー・シャラメの魅力


17歳の男の子エリオ(Timothée Chalamet)と彼の家に居候することになった24歳の大学院生オリヴァー(Armie Hammer)のひと夏の物語。最初、アーミー・ハマーが相手役ということで、もっと年上の男を想像していたので、大学院生って知ってびっくり。陽気で軽いアメリカ人の雰囲気は出ていたけど、学生っぽさはちょっと厳しかったと思う。『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)の頃に出来てたら理想だったのかな。

ティモシー・シャラメを観るのは『Interstellar / インターステラー』(2014年)、『Miss Stevens』(2016年)以来3回目。『Men, Women & Children / ステイ・コネクテッド〜つながりたい僕らの世界』(2014年)では存在を認識していなかった。『インターステラー』ではそこまでだったけど、『Miss Stevens』では『Call Me by Your Name / 君の名前で僕を呼んで』でも感じたような強い魅力があった。

『Miss Stevens』はアラサーの女性教師が演劇部員を大会に引率する話で、ティモシー・シャラメは一匹狼な男子高校生役。自分に自信があって余裕を漂わせているけど、演技となるとエモーショナルでのめり込み型。これを観て思い出したのがジェームズ・フランコ。『Freaks and Geeks / フリークス学園』のダニエルを代表とする若い頃のフランコっぽいイメージ。ヘラヘラしてるようで瞳の奥に哀愁を感じるところ?艶っぽさがある。


『君の名前で僕を呼んで』でアカデミー賞にノミネートされて「イケメン」「美少年」と騒がれているティモシー・シャラメは、やっぱり顔のインパクトがすごい。ここ最近の若手でイケメン俳優といわれるような人の中で、正統派王子系(ヨーロッパっぽい)+線が細いって組み合わせは結構めずらしい気がする。映画の中で上半身裸姿が多かったので、薄い身体が印象に残っている。手足も細長くて。でもお腹はちょっと肉がついてて、骨皮って感じじゃないのがちょうどいい。

儚い系の美少年って誰が最後だったろう……って思い返してみて、自分の中だとデイン・デハーンかな?ただ『Chronicle / クロニクル』のときにはもう20代だったのが残念だった。デハーンの若い頃に演じた役からくるイメージは孤独。厳しい環境の中で身一つで頑張っている感じ。


顔が似ているからか、役柄の雰囲気が似ているからか、デハーンはレオナルド・ディカプリオが引き合いにだされることが多かったと思う。レオナルド・ディカプリオの若い頃はもう伝説の域といってもいい時代になっている?レオが演じた役からくるイメージは年上をたぶらかして利用するようなずる賢さがあるけどピュアさも同時にあるようなバランス。


そういう年上に物怖じせずにぶつかっていくところは、ティモシー・シャラメが演じた役のイメージにも共通していると思う。これら挙げた若手俳優って、「若いのに孤独を知っていて、自分を理解しているところからくる余裕が同年代の子とは違って浮いていて、クールなんだけどどこか悲しそう」みたいな複雑なキャラクターを演じられるだけの力があって、見た目がそれに上乗せされて魅力になっていた。この道筋に、ティモシー・シャラメが新たに名を刻んだっぽいのでこれからにも期待。


個人的にはエラの成長が心配。

物語の方は両親が、子どもだけどひとりの人間として尊重する子育てって感じで放任すぎでないか心配していたら、父親が最後にしっかりしめてくれたので安心した。

How you live your life is your business, just remember, our hearts and our bodies are given to us only once. And before you know it, your heart is worn out, and, as for your body, there comes a point when no one looks at it, much less wants to come near it. Right now, there's sorrow, pain. Don't kill it and with it the joy you've felt. (imdb)

「どう生きようが自由だけど、この心と身体は一度きりのもの。老いてから気づいても遅い。今、辛いかもしれないが、その痛みも大切に」。みたいなことを父息子だけで話すってところがいい。

若いうちにしかできないことってある。痛みを恐れて何もしなければ傷つかないけど、何かしたらそれだけ何かを受けられる。大人が若者に「その道は危ないよ」って言っても、全く同じ結果になることはないし、感じ方だって人それぞれ。

親子の距離感が適度にあって、親以外の大人が近くにいるし、いろんな人に会う機会も多く、アーカイヴに手を伸ばしやすい環境で、知的好奇心の刺激も豊富なエリオの教育面が恵まれていていいと思った。

Tarzan / ターザン ~今こそ観るべき!『ブラックパンサー』でも言ってた「ひとつの家族」について考える


今回、上海ディズニーランドに行く前に予習(あるいみ復習?)しようということで『ターザン』を観た。ディズニー映画の「第二次黄金期」や「ディズニー・ルネッサンス」と言われる1990年代の作品群で育ってきたので『ターザン』も既に観たことがある。けど好きな作品か?というとそんなに……。だから思い入れもなくて、久しぶりすぎたというのもあって、新鮮な気持ちで観ることができた。そしたらすごくいい話だった!ディズニー・ソング大好き人間だから基準甘いのかもだけど「Strangers Like Me」聴きながら大号泣。見終わってYouTubeで曲だけ観てまた泣いて(疲れていた?)。それ以降、いつでも聴けるようにApple Musicに追加している。

『ターザン』のあらすじは、観たことない人でもなんとなく想像できるもの。ジャングルでゴリラに育てられた子が成長して人間と出会って……。この話の大きなテーマは劇中で歌われている「Two Worlds, One Family」だと思う。ゴリラと人間、ジャングルで育った人間と先進国で育った人間のように、それらを分ける世界があったとしても、大きな視点でみればひとつの家族になれるという。

1999年の世界がどんなだったか当時は考えてもいないけど、再び鑑賞して、今の世界の状況を考えると、この内容はとても今向きだと思った。人種や思想など、人を分ける基準はいくつもあるけど、そうやって分けていくことは良いことばかりじゃないって言われだしている。枠組み、ステレオタイプ、そういうのって便利だけど、それで見ていたら見られないものがある。ちょうど『平均思考は捨てなさい』(トッド・ ローズ著)を読み終えたところ。さらに最近観た『ブラックパンサー』でも、国王がこれと同じようなことを言っていた。

Now, more than ever, the illusions of division threaten our very existence. We all know the truth: more connects us than separates us. But in times of crisis the wise build bridges, while the foolish build barriers. We must find a way to look after one another, as if we were one single tribe. (imdb)

「人々はバラバラになっているより、つながっている方が強い。分裂の危機に、賢い者は橋を架けるが愚かな者は壁を築く。ひとつの家族であるように、お互いを気にかける方法を見つけなければならない」。(ざっくり訳)

そして違う世界と対峙したときに、ターザンのように好奇心を持って、「知りたい」「教えて」っていう姿勢になりたいと思った。

I wanna know, can you show me
I wanna know about these
strangers like me
Tell me more, please show me
Something's familiar about these strangers like me


初めにディズニー映画の「第二次黄金期」のひとつって紹介したけど、『ターザン』がこの時期の他の作品と違うところがあることにも新たに気づいた。それが歌。以下が「第二次黄金期」の作品で、どれもタイトルを聞いただけで代表曲を思い出せるくらい、曲が有名。

The Little Mermaid / リトル・マーメイド (1989)
Beauty and the Beast / 美女と野獣 (1991)
Aladdin / アラジン (1992)
The Lion King / ライオン・キング (1994)
Pocahontas / ポカホンタス (1995)
The Hunchback of Notre Dame / ノートルダムの鐘 (1996)
Hercules / ヘラクレス (1997)
Mulan / ムーラン (1998)
Tarzan / ターザン (1999)

※The Rescuers Down Under / ビアンカの大冒険/ゴールデン・イーグルを救え! (1990)は続編なので除いた。

これら作品の特徴にミュージカル・スタイルというのが挙げられる。登場人物がその気持ちを歌に乗せて表現する。だけど『ターザン』ではゴリラの子どもたちが歌う「Trashin' The Camp」以外の有名な曲はフィル・コリンズが歌っている。フィル・コリンズは別にターザンの声をやっていないし、ゴリラの声でもない。歌詞によって登場人物の気持ちを表現したり場面を説明したりって部分は一緒だけど、フィル・コリンズの曲はナレーター的立ち居地なので、ミュージカルが苦手って人でも受け入れやすいと思った。

それとイギリスからやってきた研究家のジェーンのキャラクターも、今とても共感をもって受け入れられそう。見た目は英国レディでちゃんとドレスを着ているけど、研究の方が大事で夢中になったら格好はそんなに気にしない。ゴリラの真似をやるのも、恥ずかしいって考えたことないくらい当たり前にしている。表情も豊かでハスキーな声がかわいい(声優はミニー・ドライヴァー)。しかも「ターザンはアナとエルサの弟だった」っていう話が出たっていうので、ジェーンとエルサのコラボも見たい。


ただ肝心の主人公のビジュアルが受け入れにくかったってのがあるけど、物語と音楽の良さのが上回るからまあそこは……。今こそ流行の実写化!と思ったら最近近いものやってたからそれは難しいかも?

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